状況変化に動じず初志貫徹で掴んだ勝利

2025年6月14〜15日の2日間にわたって、霞ヶ浦トーナメントプレイスを会場に開催したMLF Japan Kasumi BMC Series STAGE 3 HIDEUP CUP。
年間5戦の折り返し地点にあたり、A.O.Yレースやクラシック出場権(10位まで)を考えると、守りか攻めか、非常に頭を悩ませるところ。
果たして、上位入賞のキーはどこにあったのだろうか。

「強風だったが風が味方してくれた」
5位 鈴木幹往選手 5,515g

Day 1はラストフライトであったため、先の選手の動向を観察しながら小野川をチョイスした鈴木選手。
5〜6匹のバスをキャッチしたものの、300gに満たない個体もそのうちに含まれ、ウエイトが伸びないことでDay 2は大きくエリアを変えた。
朝から強風であったこともあり、流入河川で時間を消費した後、気温が上がり始めたタイミングで本湖へ。
これが奏功し、お昼を回ったあたりから4本のバスをキャッチ。
ヤマセンコーがメインウエポンで、ギル系のビッグベイトも交えながら反応をうかがい、スコアを重ねたという。
「風が強かったものの、やりたいところは風裏に当たっていたので、むしろ風が味方してくれました」

「ペアと協力し桜川で目標を達成」
4位 小森嗣彦選手 5,600g

2日間で5,500gを目標に掲げていた小森選手。
数ある流入河川のなかから、桜川一択で勝負に臨んだ。
「コ・アングラーの鎌田くんが、桜川なら任せてくださいと言ってくれたことも心強かった」
小森選手の狙いはポストからアフターであることを加味して、流入河川か一つ下がったところ。
流れに合わせてテキサスリグの2.5gと3.5gを使い分け、カバーからブレイクまで泳がせることで口を使わせていった。
昼頃になるとバスの姿も見えるようになり、サイトでスコアを重ねたという。
Day 2は大雨の影響で見えていた個体も見えず、前で小森選手がテキサス、後ろで鎌田選手が軽いリグと役割分担し、5,600gを記録した。
「前後で役割を分けたり、ペアが得意とするエリアで勝負できたりと、MLF Japanのペア戦の良さが出ましたね」

「エビ食いバスを求めてラン&ガン」
3位 江尻悠真選手 5,940g

プラクティスではエビ食いの個体、それもテナガエビを食っている傾向が強かったと話す江尻選手。
例年より遅い印象だったそうだが、下流から本湖、流入河川まで、至るところでアベレージ1,200gを10本ほどキャッチできていたという。
「回遊に自分から当てていくのがキモでした」
そう語った江尻選手が選んだのは、外浪逆浦と常陸利根川。
しかし蓋を開けてみるとプラでは回復していなかったバスが、エビを食いまくったあとなのか回復しきっており、見える個体もイージーではなくなっていたという。
それでも、エビ食いバスのセオリーである、「目線より上を横方向」の釣りで順調にスコアメイクし、3戦目にして初の表彰台を獲得した。
「狙ったサイズを出せなかったのは悔しいですね」

「殺気を消すことがビッグバスにつながる」
2位 安藤毅選手 6,630g

ターゲットは江尻選手と同じく「エビ食い」の個体だったという安藤選手。
スジエビとテナガエビの境目で、安藤選手はスジエビ狙いに絞ったことが功を奏した。
「シャローフラットの石やアシを回って釣ってきました」
南風に苦戦を強いられたというが、思考を切り替えて常陸利根川のブッシュへ投じたバタバタクローでキャッチした1本で完全に流れを掴んだ安藤選手。
風が変わったタイミングで戻り、キッカーとなる1,755gを手にした。
「ビッグバスを獲るためには殺気を消すこと。キャストはきっちり、でも気持ちは優しくがキモです」

「MLF Japan初年度にこの名を刻めたことは光栄」
優勝 岩井優典選手 7,050g

プラクティスは2日半。そのうち1日半はエリアを広く見ることに充てたという岩井選手。
「魚が濃いところはどこかを探すことに尽力しました」
その結果、爆発力を感じたのは園部川。
Day 1は安江選手が先行していたものの、「やりたかったところより上に行ってくれました」ということもあり、自分の釣りに専念できたという。
Day 2は前夜の雨で「引くくらい流れがありました」という岩井選手だったが、コ・アングラーの白木選手に「もう少しやりましょう」と声をかけてもらったこともあり、諦めずにキャストを続け、1本キャッチしたことで「合っていること」を確信。
流れが強まっていたことで絞り込みやすくなり、一等地でことごとくキャッチすることに成功し、STAGE 3を制した。
使用したのはテキサスリグ。カバーの濃さによって3.5〜14gを使い分けるという繊細な展開で勝利をものにした。